こんにちは。
京浜東北線「大森駅」から徒歩10分、大田区山王で鍼灸マッサージを行なっております。
山王はりきゅうマッサージ処りゅうしん堂の大西です。
ブログをご覧いただきありがとうございます!
NHKの「東洋医学ホントのチカラ」などテレビで特集が組まれるなど鍼灸や漢方などの東洋医学に最近注目が集まっています。
皆さんはご覧になられましたか?
解明が進む東洋医学のメカニズム、研究の最前線を知ることができて面白かったですよね!
そして、今回BLUE BACKSから『東洋医学はなぜ効くのか』が発売されました。
BLUE BACKSとは講談社が刊行する、自然科学や科学技術の話題を一般読者向けに解説・啓蒙している新書シリーズであり、今回そこに東洋医学が加わりました。
どんな内容なのか紹介していきたいと思います。
鍼をすると痛みがとまる、細い金属の針を身体に刺すだけで痛みがとまるというのはよく考えると不思議なことですよね。
そんな痛みをとめるメカニズムに対して分かってきていることが多くあります。
大きく分けると①末梢②脊髄③脳の3つの場所で鍼の刺激が作用し鎮痛効果を生み出しているとのこと。
・末梢神経が反応して起こるー軸索反射ー
・凝りや張りの痛みの改善ー腱紡錘の反応ー
・生命維持の仕組みを利用ー内因性オピオイドー
・生体のエネルギー通貨の活用ーATPー
各作用の詳細は本書を読んでいただければと思いますが、末梢だけでもこれだけの鎮痛作用が確認されています。
これらの作用により痛い場所に鍼をすることで痛みがとまるという効果が得られます。
子どもの頃にケガをした時、親に「痛いの痛いの飛んでけ」とさすってもらうと痛みが減った経験をしたことはないでしょうか?
実はこれ、科学的にも効果があることが分かっています。
その反応の舞台が脊髄になります、脊髄とは背骨の中にある神経であり、手足など末梢の神経が脊髄につながりそこから脳へとつながっています。
ゲートコントロール理論について簡単に説明すると痛みを伝える神経と、さするなどの刺激を伝える神経は太さが違い、刺激を伝えるスピードも違います、その差によってさするなどの刺激を入れると痛みが感じにくくなるのです。
・痛みを脳から末梢に向けて調節ー下行性疼痛調節系ー
・痛みの悪循環を改善ー交感神経介した鎮痛ー
脳を介した鎮痛メカニズムの特徴は鍼を刺した場所以外の痛みにも効くということです。
鍼灸施術では頭痛の対して手のツボを使ったり、腰痛で足のツボを使うことがあります。
離れた場所に鍼を刺しても痛みがなくなるのはそれこそ不思議でしたが、今ではその機序も科学的に説明ができるようになってきています。
鎮痛効果だけでも現在ではこれだけ解明されてきているのです!
痛みをとめるメカニズム以外にも分かってきていることが多くあります。
例えば鍼灸で脳が活性化することが分かっています。
鍼灸施術を行うことで触覚や痛み、温度などの感覚情報を処理する部位や身体を動かす信号の源、血圧や感情の調節に関わる部位の働きを活性化させることができます。
それだけでなく逆に不安や恐怖に関わる部位の活動を低下させることができることも分かっています。
他にも自律神経を整えるメカニズム、免疫機能を調整するメカニズムなど次々と分かってきていることが増えています。
まだまだ分かったきた事、伝えたいことは多くありますがそれはぜひ 『東洋医学はなぜ効くのか』を読んでいただければと思います。
今回紹介した内容以外に、それぞれのメカニズムの詳細な仕組み、漢方薬の効能、セルフケアに使えるツボなどが載っています。
今や東洋医学、鍼灸などは不思議なもの、あやしいのもでは無くなってきています。
「鍼灸って本当に効くの?」と疑問に思っている人ほどぜひお読みいただければと思います!
りゅうしん堂 大西
参考:山本高穂、大野智著『東洋医学はなぜ効くのか』講談社、2024
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